産業廃棄物の処理方法(2)

産業廃棄物はどのように処理されているのでしょうか

前回に続き、産業廃棄物がどのように処理されているかをご紹介します。

廃プラスチック

廃プラスチック類は、プラスチックを主成分とする産業廃棄物をいいます。合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくずなどがあります。廃プラスチック類は、資源として再利用できる産業廃棄物なので、リサイクルを含め、様々な処理方法があります。

マテリアルリサイクルといって、廃プラスチック類を溶かして再びプラスチック製品の原料として再生利用する方法。ケミカルリサイクルといって、廃プラスチックを加熱するなどして化学的にプラスチックを分解し、化学原料や燃料として再生利用する方法。サーマルリサイクルといって、廃プラスチック類を処理したのち、燃料としてそのまま利用する方法があります。

紙くず

紙くずは、製紙業、紙加工品製造業などから排出される紙くずや、建築土木工事に伴って排出される紙製の包装材などです。約60%の紙くずは再生利用されていますが、産業廃棄物の紙くずには一般的な古紙のほかにも壁紙などの建設工事から発生したものまであり、中にはリサイクルが難しい紙くずもあります。家屋の解体工事によって発生した壁紙は、汚れている場合が多いので、リサイクルされず焼却処理されます

古紙の再生方法は次の通りです。まず、古紙を水などと一緒にかきまぜ、繊維状にほぐします。次に、異物やインクを除去し、漂白します。こうしてできた繊維を再び製紙用の原料として使用します。

木くず

木くずは、建設業、木製品製造業、家具製造業などから排出される木材片などの廃材です。古い木造家屋を解体した場合、大量の木くずが発生しますが、かつては焼却されるか埋め立て処理をしていました。建設リサイクル法の施行により、廃棄物としての処理よりも、資源としてリサイクルするようになりました。現在は、約60%の木くずが再生利用されています。木造家屋の解体によって発生した木くずは、木材チップなどにリサイクルされています。

木くずの原料としての使途は、製紙原料、堆肥原料などです。製紙原料として木くずを再利用する場合は、まず、木くずを細かく粉砕し、チップに加工します。チップを薬品と一緒に煮て、木材繊維を取り出します。その木材繊維を漂白し、製紙原料になる木材パルプに加工します。燃料としての用途は木くずを粉砕してチップにし、それをボイラー燃料などに使用します。