『終活(生前整理)』で気を付けること

終活は親のためか子のためか

ここ数年で世間に広がった『終活』という言葉。それまでは基本的に親が亡くなった後に、故人のものを整理する『遺品整理』が主流でしたが、最近は『終活』といって生前整理をする人たちも増えてきました。『終活』とは、実際にどのようにすすめていくべきなのでしょうか。

生前整理は誰のためにするのか?

本来生前整理とは、残された遺族が遺品整理をするとなると大変だろうからと、生きているうちに身の回りの物を整理することが目的です。しかし、現実には『終活ビジネス』によって家族が迷惑するケースが多発しています。子どもが行くには遠すぎて不便な場所にお墓を買ってしまったり、遺族が驚くぐらいの派手な葬儀だったりと、子どもたちに迷惑がかかる『終活』になっている場合が実際にあります。

遺品整理では子どもに迷惑をかけるからと生前整理を選んだのに、『終活』で子どもに迷惑をかけてしまっては本末転倒です。生前整理といえど、後々揉めないためには親子で相談しながら決める必要があります。

エンディングノートはどう書けばいいの?

最近の遺品整理の現場では、エンディングノートが出てくることが増えたといいます。しかし、自分の死後の対応を心配されてエンディングノートを用意したものの、真っ白だったり、不完全な状態であることの方が多いのです。

エンディングノートとは、引き継ぎを目的とするものです。子どもが遺品整理で困らないために書かれるものですから、「想い」に偏らず「事実」を書いておくことが重要になります。

まずは「親が好きなもの」について書きます。遺品整理の際、子どもたちはどれを形見分けして、どれを処分してよいのか迷います。遺品整理はこのように行って欲しいとわかりやすく書いておきましょう。

次に「葬儀に呼んでほしい人」について書きます。子どもが親の人間関係を全て把握していることはほとんどありません。葬儀の連絡をするにも、連絡先がわからないということはよくある話です。葬儀に呼んで欲しい人と連絡先のリストがあると、子どもは苦労せずに葬儀の準備をすることができます。遺品整理と同様、葬儀についても子どもと話し合っておきましょう。

「財産」は、遺品整理において一番重要なものといえます。財産というと現金や証券などに注目しがちですが、美術品や貴金属などの処分方法も書いておくべきです。これらの遺品整理をする際に、困惑する遺族はとても多いのです。誰に形見分けするか、売ってもいいのか、遺品整理がスムーズに行えることを心がけて書いておきましょう。