分別解体

建築物の分別解体

建設リサイクル法では、建築物の分別解体が義務付けられています。建築物の解体によって発生する廃棄物は解体現場で種類ごとに分別して集積された後、廃棄物の中間処理施設へ搬出されます。解体廃棄物の発生量を予測して、その量に対応した中間処理施設と処理委託基本契約を結ぶ必要があります。

リサイクル率を上げるために

設備機器や内装材は手作業で分別しながら解体し、必要に応じて小型重機等を併用します。そして、廃棄物を品目ごとに分別します。例えば、壁や天井の石膏ボード、床のプラスチックタイル等は大量に排出されるので、分別します。また、天井内部はダクトや空調機、配管、配線等が混在しており、これらも分別します。

解体廃棄物のリサイクルと処理

コンクリートがらは再生路盤材や再生砕石などに、金属くずは再生金属としてほぼ100%リサイクルされています。木くずはチップ化して燃料用や木質ボードの原料として利用されますし、廃プラスチック類は破砕してセメント生成燃原料として利用されます。廃塩化ビニル管は再生ビニル管へのリサイクルルートが確立されています。

石綿除去作業

石綿(アスベストともいいます)は、繊維結晶した鉱物の総称で、代表的なものがクリソタイル、アモサイト、クロシドライトです。石綿は、耐熱性、断熱性、防音性、電気絶縁性、耐薬品性に優れ、曲げや引張りに強く、価格も安価であるため、古くから工業材料として使われてきました。石綿の化学成分は、通常の岩石と大差なく、酸化マグネシウム、酸化鉄が主体であり、有害元素と考えられるものは含まれていません。石綿の特徴は結晶繊維が細かいことで、大気に放出されると沈降しにくく広範囲に拡散します。

石綿は非常に便利な材料である反面、健康被害の実態が明らかになり問題になりました。健康被害のメカニズムは解明されていない部分が多いですが、大気中に浮遊する石綿繊維の吸入摂取による健康被害が大きいことが明らかになっています。処分方法としては、飛散防止のため、あらかじめ固型化、薬剤による安定化等の措置をした後、耐水性の材料で二重に梱包し、管理型最終処分場にて処分します。

吹きつけ石綿の除去作業を行う時は、作業場所を養生シートで隔離します。作業場所を負圧に保って、排気装置で排気します。作業者は防塵マスクを着け、保護衣を着て作業をします。石綿が大気中に飛散しないよう、除去作業の管理が重要となります。