大阪の空き家問題

大阪の空き家事情について

大阪は全国の政令指定都市の中で空き家率が一位であり、空き家問題が深刻化しています。少子高齢化や地方の人口減少によって、今後も空き家は増えると言われています。大阪の空き家事情についてまとめます。

なぜ大阪に空き家が多いのか

大阪は、入院等による長期不在の住宅や建て替える予定の住宅といった『貸すことも売ることもしない住宅』が多いことがわかっています。解体費用がもったいない、将来使うかもしれないなどと考える人が大半を占めています。大阪市生野区は特に空き家が多く、深刻な状況です。生野区は古い長屋住宅が多く、改築するのにも複数の権利者がからむため難しいのです。戦火を免れた古い空き家のため、相続で代替わりしていると空き家の権利者と連絡が取れなくなっていることも少なくありません。古い長屋の場合、建て替えるとなると建築基準法により道路から後退して建てなくてはならないので、更に小さな住宅になることが予想されます。空き家を解体しても売れるかどうかと考えた結果、放置しているというケースがほとんどです。

老朽化した空き家は害虫の問題だけでなく、悪用されたり放火の危険性があるため治安の面でも問題になります。生野区は空き家を活用するためのアイディアを募集したり、シンポジウムを開いたりして地域住民が中心となって空き家問題に取り組んでいます。

今後の課題

空き家の所有者の7割が空き家を売却したいと考えていて、解体したいと考えている人は2割もないといいます。しかし、実際は空き家の状態で購入する人は少なく、需要と供給のバランスが崩れていると考えられます。自治体による解体の補助もありますが、解体しても売り手がつくと期待できない、登記などの法律的な知識が不足している等により二の足を踏む人が多くなっています。

空き家を活用する取り組みは大阪の各地で行われていますが、なかなか思うように進まないのが現状です。不動産の知識が不足していることから、所有者と利用者のマッチングが困難なこと、スタッフの不足、資金調達の面で苦慮することが多いようです。

まずは空き家を増やさないこと、所有者と自治体だけのやりとりでなく、地域や民間の業者も関与しやすい状況にして、空き家を活用しやすくすることが課題といえます。現在はインターネット上で大阪の空き家バンクを活用することができます。所有している空き家を登録する側と、空き家を探している側をマッチングするサイトです。空き家を持てあましているという方はぜひ活用してみてください。