空き家対策特別措置法

空き家対策特別措置法とはどんな法律なのか

空き家問題の対応に特化した法律として、平成27年に空き家対策特別措置法が施行されました。この法律は、住居などとして使用されていないことが一年以上常態化している建物のことを「空き家等」と定義しています。市町村長は、空き家等への調査や、所有者等を把握するために固定資産税情報を利用することができます。

『特定空き家等』とは

空き家対策特別措置法では、『空き家等』のうち倒壊のおそれのある危険な状態、衛生上有害な状態、著しく景観を損なっている状態などにあるものを『特定空き家等』としています。

特定空き家等については、まずその所有者に対して、取り壊しや修繕などの措置をとるよう市町村長が助言または指導します。助言や指導に従わない時は、猶予期限を設定して勧告することができます。特定空き家等に認定されて勧告を受けると、住宅用地特例の対象から除外され、固定資産税額が高くなってしまいます。勧告に従わない場合は、行政代執行の手続きにより強制的に空き家が解体される場合があります。代執行の費用は特定空き家等の所有者が最終的に負担します。行政による代施行の場合、金額を抑えるという意識はありませんので、所有者が直接解体業者に依頼するよりも解体費用が高くなる場合があります。

このように、不動産を空き家状態にしておくと強制的に解体されてしまう場合がありますので、定期的に掃除や修繕を行う等、管理をしていく必要があります。

行政代執行を行う自治体が増えている

数件ですが、大阪市や神戸市でも行政代執行が行われるようになってきました。全国的にも行政代執行は徐々に増えてきています。空き家対策特別措置法が制定される前は二年間に二件という実績でしたが、平成27年に空き家対策特別措置法が施行されてから平成30年3月に至るまで、実施された行政代執行の総数は98件でした。兵庫県は行政代執行の件数が全国的にも多く、行政による空き家の取組みが盛んであることが伺えます。

行政代執行の費用は税金債務

行政代執行にかかる費用は、国税を滞納したときと同じ方法で徴収されます。税金を滞納するとまず督促状が届きます。督促状が何度か届いた後、電話や訪問などがあり、次には差し押さえの予告が届くようになっています。
催告にも応じない場合、財産調査が行われます。財産調査で財産が発覚すると財産を差し押さえられて強制的に徴収されるという流れになります。このようなことにならないためにも、危険な状態になった空き家は速やかに解体することが一番の解決策なのです。