解体業界には歴史の古い解体業者がたくさんいらっしゃいます。
しかしその中には、時代が大きく変わっているにも関わらず、「時代遅れ」と言わざるを得ない、古い体質の解体業者がまだまだ存在していることも事実です。
「時代遅れ」ということがすべて悪いということではないのですが、時代にそぐわない考えや不適切な施工内容をする解体業者は現在の解体業界で生き残っていく事が難しい時代になってきました。
こちらでは10個の具体例をお伝えさせて頂きます。
1.見積もり、解体工事を『してあげる』という考え
時代遅れの解体業者はこのように考える場合が多いです。
根本の考えがこのようですと、「お客様目線」「相手の立場にたつ」というのは到底無理な話しですし、ご提案内容だけではなく、お施主様やご近所の方への言葉遣いも丁寧ではなく、解体工事中や近隣対策など色々な面で自己中心的な解体業者が多いです。
2.相見積もりを極端に嫌う
今や見積もりを数社比べるのはある程度常識となっていますが、古い体質の解体業者はこの「相見積もり」を極端に嫌います。
先に触れた「見積もりをしてあげている」という考えが根本にあるのと見積もり内容(価格)や提案力に自信がないからでしょうか。
3.手書きの見積もり(一式見積もり)
手書きの見積もり書が一概に「悪い」という訳ではないのですが、見積もり書や役所への届出、解体後に必要な書類などの書類作成業務の効率を考えるとかなり古い手法です。業務効率が悪いと諸経費などがかさみ、結果的に見積もり金額自体が高くなる傾向があります。
また、手書きの見積もり書の場合、「解体工事一式○○円」という、工事内容の明細が不明確な見積もりが出てくる場合が多いようです。
4.メール(PC)が使えない
解体業者の担当者がある程度年配の方だと仕方ないのかもしれませんが、その会社にメール対応が出来る人が誰もいない場合は注意が必要です。
口頭のみのやり取りだけでは不安があるお施主様も多く、メールで残しておきたいという場合も多いので、解体業者側がメール対応が出来ない場合、とてももどかしい思いをするのはあなた(お施主様)です。
同じような内容では
・携帯電話を持っていない
・デジカメが使えない
という解体業者も未だ存在しています。
5.契約という概念が薄い
工事を依頼する側(施主)と請け負う側(解体業者)との『契約』という概念が薄く、契約書や注文書・注文請書などを書面で交わすことなく工事に取りかかり、「無粋なことは言わずに俺に任せておけ」的な考えで解体工事をするが、思わぬ追加請求などが出ることも。
結果的に追加請求をされてしまった場合でも契約書を交わしていないので、その業者のいいなりになるしかないというケースもありますので、注意が必要です。
6.ミンチ解体
古い体質から抜け出せない解体業者はいまだにこのミンチ解体をしているところがあります。2002年(平成14年)に建設リサイクル法が施行され、分別解体が義務付けられる前まではミンチ解体が主な解体工法とされていましたが、現在は原則禁止とされています。
ミンチ解体とは建築物を分別せずに一気に壊してしまう解体工法ですので、分別解体と比べると圧倒的に工期が短く、手間もかかりません。しかし、外壁材、断熱材、木材、窓ガラス、サッシなどの住宅資材がごちゃ混ぜの状態で排出されるので、廃材の選別が非常に難しく、「野焼き」「不法投棄」などの違法処理を誘発する要因となります。
7.不法投棄
先にふれたミンチ解体をした結果、不法投棄をする業者は後を絶ちません。(ミンチ解体をしない場合でも不法投棄をする場合もあります) 不法投棄にて逮捕された業者の言い分は
『処分費用が高騰しているので、つい。』。
『結果的に赤字になってしまったから、処分費を浮かせないと…』。
『あとで処分場に持っていこうと思って一時的に置いておいただけ。』
などがあります。
社会全体で環境問題に対する意識が高まるなか、産業廃棄物の処分費用は年々高騰していますが、廃材の処分費用は削りようがないのが実情です。利己的な理由、短絡的な考えで違法行為に手を染めてしまう古い体質の解体業者は実在しています。
廃材が適正に処分された証明書であるマニフェスト(廃棄物管理票)を発行しない、保管しない業者もいます。(廃棄物処理法により解体業者には5年間の保管義務があります。)
8.飲酒運転
飲酒運転の規制が厳しくなかった時代の名残りで信じられないかもしれませんが、昼食の際や休憩時間に飲酒をする解体業者や、朝までお酒が残っている状態で現場作業やダンプを運転する解体業者もいます。
優良な解体業者は始業前のアルコールチェックをし、もしアルコールが検出された場合はその日は仕事をすることが出来ずに帰宅させられてしまいます。
9.ヘルメットをしない、たばこを現場でぷかぷか。
「ヘルメットをかぶると暑いから」
「一人前でない証拠」
「かっこわるい」
などの、とても稚拙な理由からヘルメットをかぶらないで解体作業をする業者もいます。
また、たばこを解体現場の中で吸うのは当たり前で、なかには喫煙しながら解体重機を操縦するような職人もいます。今や指定喫煙場所以外の現場内での喫煙は、安全管理面において禁止が常識です。
10.現場で怒鳴り散らす
解体業者によっては現場の解体職人さんに怒鳴り散らして作業の指示や指摘をしている場面を見かけます。周辺住民にとってはうるさくて迷惑なのと、恐怖すら感じる場合もあります。現場での指示を徹底する事は安全管理上でとても大切な事ですが、近隣への配慮が出来ない解体業者はお構いなしに怒鳴り声を上げます。
時代は刻々と変化しています。特に近年はそのスピードは目覚ましいものがありますので解体業者も「変化への対応力」がとても重要になってきます。