空きマンション問題

空き家だけじゃない!空きマンション問題も深刻化

一軒家の空き家が増えている一方、空きマンションも深刻化しています。特に東京や大阪の都市部では、空き家問題の6割ほどがマンションなどの集合住宅だと言われています。当然ですが空きマンションは、一軒家の空き家のように解体して更地の状態で売るといった方法は取れません。具体的にどのようなことが問題になっているのか、今後どのように対策したら良いのかご説明します。

修繕積立金がかかる

マンションが古くなればなるほど、修繕積立金は高くなります。相続しても、そのマンションに住まない人にしてみれば、毎月修繕積立金を出す価値を見いだせなくなるものです。住んでいないので、部屋は荒れますし、住居者が減っていきます。そうすると修繕積立金も集まらず、管理が行き届かなくなるため、買い手がますますつかなくなるというように悪循環に陥ります。

一軒家の空き家はリフォームして売りに出すことが可能ですが、マンションとなるとリフォームは難しくなります。専有の部分はリフォームできても共有の部分はリフォームできません。例えば、窓は共有部分になるため、防犯対策用のガラスにしたい、保湿機能を向上させるためにサッシを二重にしたいと思ってもできません。他にもベランダや玄関ホール、階段なども共有部分になります。建築物自体が老朽化していくと専有部分が綺麗でも買い手や借り手がつかないといったことになってしまいます。

適切な家賃設定

空きマンションが単身タイプかファミリータイプかによって対策は変わってきます。一人暮らしの女性であれば、防犯を重視して考える、ファミリーであれば収納がたくさん欲しい等、住む人によって求めるものが変わってきます。間取りや立地条件からどのような人が住むのかを想定してリフォームや価格設定を考えましょう。必要ないものを取りつけて家賃が高くなってしまい、なかなか入居してもらえないというのは意外とある話です。一見、充実した設備は魅力的に見えますが、家賃の面を考慮してリフォームしなくてはいけません。ただし、一軒家の空き家をリフォームするとなると費用がかさみますが、空きマンションであれば空き家ほどは費用がかからないため、買い手や借り手を探しやすいメリットもあります。

現在、人口は減っているのに新しい住宅が増えている状況のため、空き家や空きマンションの問題はこれから益々出てきます。実家はマンションだから、一軒家の空き家よりも簡単に対応できると考えるのは間違いです。両親が元気なうちにしっかりと話し合っておきましょう。ちなみに、親の生前に実家を売却しようと考えているなら、親の財産でリフォームをしておくとその分相続財産を減らすことができるので、節税になります。空き家になって持てあます前に対応しておいた方が後々の対処が楽になります。