更地にして売る場合の問題点
古家を解体する時に注意しておくべきこと
大阪市は老朽化した空き家の解体を進めるために、狭あい道路(4m未満)に面した住宅(昭和25年以前)の解体費用を補助しています。補助限度額は、戸建住宅で75万円、集合住宅で150万円、長屋住宅の一部解体で75万円となっています。一般的な木造住宅の解体費用は100~150万円ですので、半分もしくはそれ以上の額を補助してもらえることになります。大阪市生野区、西成区、福島区等に優先的にこの制度が利用できるエリアが多いとされています。
しかし、解体して更地する場合、あらかじめ注意しておくべきことがいくつかあります。解体する際に気をつけておくべき問題、解体後に発覚する問題とはどのようなものがあるのでしょうか。
古家に文化財的価値がある場合
一般的に古家には資産価値はほとんどありませんが、稀に文化財的価値がある場合や、敷地が史跡指定されている場合があります。この場合、勝手に古家を解体すると文化財保護法や文化財保護条例への違反が問われる可能性がありますから、注意が必要です。
アスベストが使用されている建物
木造住宅の場合、アスベストが使用されている可能性は低いですが、集合住宅など大きい住宅であるときはアスベストの有無を確認してから解体しましょう。大阪市ではアスベストを含む建築物、工作物の解体、改造などの作業を行う場合、届出や飛散防止対策が必要です。
地中に埋設物がある
地中に廃棄物が埋まっており、この廃棄物が原因で土壌汚染が生じている場合があります。土地を売却した後に発見された時は、買主から埋設物の解体や除去にかかる費用の負担を求められる場合があり、トラブルになる可能性があります。
隣地との境界線が不明確
隣地との境界線が不明確な場合は、そのままでは解体後に土地を売却することが難しいため、隣地との境界線を確定させる手続きが必要になります。隣人との話し合いで決着がつかない場合は、土地家屋調査士に依頼して境界を明確にすることになります。話し合いで解決しない場合は法廷で争うことになります。
建物の再建築における支障
建築物の敷地には『接道義務』というものが課されているため、ほとんどの敷地が道路に面しています。『接道義務』とは建築物の敷地は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないというルールのことです。
しかし、今現在、建築基準法の規定が適用される以前に建てられた建物が至るところにあります。そのため、幅員4m未満の道路に面する土地に建物を建築するときは、道路中心線から2m後退して建物を立てる必要があります。