空家問題について
空家問題の背景
空家が増えた理由は何でしょうか。90年代終わり頃から、地方での人口減少が始まったことが原因だと思われます。都市部でも、環境の良くない地域、木造家屋が密集している地域では空家率が高くなっていきました。空家は高齢化率と相関していて、高齢化率の高い地域ほど空家率も高くなります。今後、高齢化がすすむにつれ、空家もますます増えていくと考えられます。
空家によって発生する問題
空家が発生することによって問題となる点をいくつか挙げてみましょう。
中でも苦情が一番多い問題は、空家の敷地内の雑草や樹木が隣人にとって迷惑となるケースです。他には、やぶ蚊の大量発生やシロアリなどの害虫被害があります。また、木造家屋が多いことから、放火される危険性もあります。もちろん、倒壊による危険もありますし、空家の敷地内にごみが放置、投棄されることもあります。著しく破損、腐食している空家は景観も害します。家人がいないことで不法侵入、不法滞在などの問題も発生します。
空家の活用は難しい
増え続ける空家ですが、中には壊さずに活用される場合もあります。リフォームをして貸したり、最近では旅行者が安く泊まれる宿泊施設にするといった活用法もあります。ただ、軽微なリフォームで済む場合もあれば、大幅に直す必要がある場合もあります。当然、リフォームや宿泊施設の運営には資金がかかります。近隣に迷惑をかけないために自分で管理する人もいますが、雑草の手入れや害虫の駆除、掃除などには体力が必要ですし、別宅から通いながら管理するというのは気力も必要です。結局、空家の多くが最終的には放置されたり解体されます。
空家の解体費用の補助金
空家の解体には補助金が出る場合があります。各自治体によって違いますが、東大阪市の場合は対象となる空家の解体費用の5分の4、延べ床面積X12,000円、補助限度額100万円の内、最も低い金額で補助されます。池田市でも倒壊する恐れのある老朽木造住宅の解体に上限40万円の補助金がでます。補助金や助成金には申請のタイミングや制度を実施している時期もありますので、お心当たりのある方は一度、空家のある自治体に相談してみると良いでしょう。
空家を増やさないために
空き家を作らないためには一人暮らしの高齢者の協力が必要です。引っ越すタイミングで家を売る、貸すなどの活用法を決めるか、自分で管理できないのであれば他者に管理を頼むか、解体するか、あらかじめ明確にしておくだけでも大きく違ってきます。高齢の方は特に家を手放したがらず、ご自分が生きている間に解体することに抵抗があるようです。ご家族の方とよく話し合って、事前に相談しておくことが問題解決に繋がります。
空き家問題の背景