解体工事の前にしておくこと

解体工事をする際の事前措置

建築物を解体するにあたって、あらかじめしておくことはいくつかあります。不用品の処分だけでなく、電気やガスといったライフラインの停止の申請など、解体工事の前にしなければいけないことを確認しておきましょう。

『特別管理産業廃棄物』及び『アスベスト含有建材』の処理

特別管理産業廃棄物やアスベスト含有建材の処理は解体の前に先行して行います。これらは取扱に特に注意が必要であり、事前に処理をしないまま解体作業が行われると、解体が終わってからでは回収や除去することが難しくなります。解体作業の過程で、他の建材のなかにこれらの廃棄物を混入させないためにも確実な措置が必要です。

給水管などの遮断

給水管、ガス管、電力、通信ケーブルなどの遮断や切断は、解体工事の前に届け出をおこなっておく必要があります。きちんと遮断しないまま解体作業を行ってしまうと、ガス管や電気配線の切断による爆発や火災が起こる可能性があり大変危険です。設計図などと現地の状況に相違がある場合は少なくないので、注意が必要です。
他の施設や隣家に影響がないことをきちんと確認してから、適切な位置で遮断や切断を行います。

長期間空き家だった場合

長い間空き家だった家を解体する場合は、ネズミやその他の害虫・害獣が生息している可能性があります。解体作業前の調査の結果、駆除が必要だと判断したら、周辺住民の方々に知らせてから駆除をします。

汚物や汚水の処理

浄化槽、排水槽などに残留している汚水や汚物は、土壌の汚染防止に十分気を付けて、回収や洗浄、消毒などを行います。
便器等の衛生器具はしっかりと洗浄し、異臭の発生を防止します。

PCBを含有する機器

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は使い勝手が良いため、工業製品として幅広く使用されてきました。しかし、現在は環境及び人体に悪影響があることから製造中止となりました。PCBを絶縁油として使用した変圧器やコンデンサがありますので、解体作業の際には要注意です。解体業者はPCBを含有するこれらの機器を処分することができません。PCBの廃棄物は解体をする建物の所有者に処分の責任があります。解体する前にPCBを含有しているかどうか確認しましょう。

蓄電池などの放電

蓄電池などは、感電事故や火災を発生させる恐れがあるので、充電されたものは解体作業前に放電するか端子の養生を行います。コンデンサなども残留電荷が感電事故などの原因となるので、残留電荷がある場合は解体作業前に放電します。