一般廃棄物と産業廃棄物の区分
一般廃棄物と産業廃棄物の取り扱い
産業廃棄物と一般廃棄物の概念は、人の日常生活から排出される廃棄物で、環境汚染等の問題が少なく、市町村の処理能力で処理可能なものを一般廃棄物とし、事業活動から生じる廃棄物で環境汚染の原因となりうるものを産業廃棄物としています。一般廃棄物と産業廃棄物の判断は難しいものが多く、どのように取り扱うべきかわからないため不適正な処理が行われてしまうことがあります。以下で、この二つのどちらなのか間違いやすいものについて説明していきます。
一般廃棄物の判断
例えば、燃え殻や汚泥、廃油、廃アルカリ等の廃棄物は、製造工程において排出されるものから製品の使用後に廃棄されるものまで全てが産業廃棄物です。一方、紙くずや木くず、繊維くず、動植物性残さ等の廃棄物は、特定の事業活動に伴って排出される場合のみ産業廃棄物に該当します。製紙工場から排出される紙くずや食料品製造業から排出される動植物性残さは産業廃棄物ですが、商店や病院から排出される紙くずや、レストラン等から排出される残飯類は一般廃棄物になります。
では、建設業者が事務所で排出した不要な紙くずはどうでしょうか。工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた紙くずの場合は産業廃棄物になりますが、事務所内の事務作業で生じた紙くずは一般廃棄物です。ただし、紙の製造業者によって排出される不要な紙くずについては、発生工程が限られていないため事務所から排出されたとしても産業廃棄物の紙くずになります。
逆に解体業者ではなく、住人が家屋を解体した場合、廃材木は産業廃棄物の木くずになるのでしょうか?この場合、事業活動に伴って生じた木くずではないので一般廃棄物になります。 一般的な木造家屋を解体した場合に排出される木材はおよそ10トン程度といわれています。しかし、木造家屋ですと土壁を採用している場合が多く、土壁は産業廃棄物となり処分費用が高くなることがあります。
造園業者が剪定した枝や植木くずは事業活動によって排出されるもののため産業廃棄物と思われがちですが、一般廃棄物になります。木くずは業種によって産業廃棄物として扱うか、一般廃棄物として扱うかの区別がされています。そのため、剪定が建設工事に伴うものであった場合は産業廃棄物の木くずになります。ちなみに、竹は草本植物であり木ではないので、建設工事に伴い生じた不要物でも一般廃棄物になります。
建設業者が解体物として排出した畳は素材によって処分が変わります。い草であれば産業廃棄物の繊維くずになり、合成繊維であれば産業廃棄物の廃プラスチック類になります。