石膏ボードの解体作業について
石膏ボードの解体とリサイクル
建築物の壁や天井に使用される石膏ボード。世界の生産量の約1割を日本で生産しており、廃棄量は年間120万トン以上といわれています。解体された建物から廃棄される石膏ボードは異物の除去が大きな課題となっており、解体業界では、再資源化への取り組みを率先して行っています。
解体から発生する石膏ボードの問題点
石膏は耐火性、防音性に優れ、機密性、断熱性にも優れているため、建築物によく使用されています。今後、高度経済成長期に建てられた建築物の解体時期がくることで、廃棄量が増えるとみられています。新築時の端材は回収ルートが整ってきていますが、解体で発生する廃石膏ボードについては課題が多いです。解体で発生する石膏ボードの場合、クロス張りや左官仕上げを施してあるものが多く、異物を処理することが再資源化には必要だからです。今後、解体工事で発生する石膏ボードについては、異物の分離をどこまで出来るかに再資源化率向上がかかっています。このためには、解体系廃石膏ボードの異物除去システムの確立、エコ石膏ボードの生産技術の確立が求められています。
リサイクル方法
解体現場では、分別解体した後に他の素材と接合されている石膏ボードを異物と分離してから拠点に搬入します。受け入れ拠点では、解体現場から集められた石膏ボードを粉砕し、磁力選別機で釘などの金属類を除去します。金属を取り除いた石膏ボード片は、紙と石膏を分離する機械にかけます。紙を取り除いて残った石膏を二次粉砕します。粉末状になった石膏は、石膏ボード、セメントなどの原料として再利用されます。その他、土壌改良剤などにも利用されます。
石膏ボードの解体作業
解体バールを使って石膏ボードを剥がします。他の資材と混ざらないように気を付けながら解体作業を行います。やみくもに剥がすのではなく、ボードと垂木の隙間にバールを差し込むと、塊の状態で剥がすことができます。片面を剥がしたら、反対側も剥がします。廃材は釘やビスが飛びだしているので、解体中は特に気をつけなくてはいけません。また、石膏ボードの解体作業時は粉塵が大量に出ます。汚したくないものはしっかりと養生する必要があります。石膏ボードにカビが発生している場合もありますので、解体作業時はカビ胞子の飛散にも気をつけなくてはいけません。粉塵やカビ対策として解体作業時には専用マスクを装着して作業を行います。