遺品整理のポイント
スムーズに遺品整理を行うためのポイント
遺品整理が大変になる一番の理由は、生前の話し合いが不十分だったことにあるといえます。残しておくべきものと処分すべき品が分別できずに迷ったり、親が大切にしていたもの・好きだったものが分からないことで、時間がかかってしまったり、整理したものの納得できない状態で形見分けをするといった残念な結果になるのです。そうならないためのポイントをご紹介します。
親が元気なうちに話し合う
遺品整理で迷うということは、それだけ親がどんな人生を送ってきたのかを把握できていなかったといえます。何が必要で何が大切かということを知るのは、親の人生を知るということになります。必要か不要かを勝手に判断して整理するのではなく、親の思い出や生い立ち、人生を話し合いながら、楽しく整理することがポイントです。親の世代は物が捨てられない人が多く、整理するとなると不安になったり、自分が死に向かっていることを自覚して寂しくなったりする場合があります。仕分け作業を楽しむことで、 前向きに整理できるようもっていきましょう。生前に処分できるものは処分しておき、親が大事にしていたかどうかの判断ができれば、亡くなった後の遺品整理もスムーズに行えます。
捨てたがらないものを知る
親が捨てたがらないものをあらかじめ把握していると、遺品整理の際に役立ちます。一般的に、親が捨てたがらないものは以下の通りです。
父親が捨てたがらないものは、手帳・名刺・受賞品・表彰状・背広・ 年賀状・日記などです。母親が捨てたがらないものは、洋服・着物・ハンドバッグ・趣味の物・食器・贈答品などです。思い出がつまった写真や先祖の遺影などは、父親も母親も捨てたがりません。生前整理をする場合はこれらを念頭に仕分けし、遺品整理する場合はまずはこれらを捨てないものとして仕分けして、最後にまとめて判断すると良いでしょう。
言葉使いに注意する
昔の溌剌としていた時代の親の印象があるので、つい整理の際には『お母さん、昔はきちんとしなさいと言っていたじゃない』というように相手を責めるような言い方をしてしまいがちですが、これはやめましょう。子どもが親を諭すような言い方をすると、親にもプライドがありますから、へそを曲げて整理する気持ちが萎えてしまうことがあります。『どうしてこんな物を取っておくの』『昔はもっときちんとしてたじゃない』という言い方をせずに、『けがをしたら危ないから、一緒に片付けよう』『この中で特に大切なものは何かな?』と、親が心を開いて整理できるような言葉がけを心がけましょう。
生前整理や遺品整理をすることは親の人生に向き合うことに他なりません。お互いのためにも時間をかけて話し合いをすることが、結果的に早く遺品整理を終わらせることに繋がるのです。