産業廃棄物と環境問題
廃棄物の処理と環境問題
大量生産、大量消費、大量廃棄によって、環境への負荷が大きくなっています。廃棄物の処理やリサイクルを行う工程でも環境に負荷を与えていることも事実です。産業廃棄物の処理に伴う環境問題について考えてみましょう。
産業廃棄物の処理に伴う環境問題の例
直接的な例として、収集運搬車両からの排出ガス、焼却施設からの排出ガス、排煙、排水や悪臭、騒音等の問題があります。間接的な例としては、産業廃棄物の処理に伴うメタンや二酸化炭素の排出が環境問題の一部を形成しています。産業廃棄物の処理やリサイクルの段階で環境負荷を減らすことはもちろんですが、大量生産、大量消費、大量廃棄を改善することも重要です。
地球環境問題
地球環境問題は、環境への影響や被害が地球規模にまで広がる問題であり、問題解決のためには国際的な取り組みが必要です。地球温暖化への国際的な取組みとして、温室効果ガス削減目標等を定めた「京都議定書」が採択され、先進国全体で2008年から2012年の間に排出量を5%削減することとしました。日本の目標である6%の目標は達成され、更に2030年には2013年度比で26%削減という中期目標をたてています。
廃棄物処理における温室効果ガス削減の取組としては、(1)廃棄物発電の促進等、(2)廃棄物焼却量の削減、(3)廃棄物の最終処分量の削減(メタン排出の削減)、(4)下水汚泥の燃焼高度化があげられており、今後もこれらの取組みが重要になっていきます。
産業廃棄物の適正処理
廃棄物処理における適正処理の基本は、環境汚染や健康阻害などの悪影響がないようにすることです。しかし、適正処理の内容やレベルを完璧にすることはとても困難です。ですから、適正処理であるかどうかを判断する方法として、産業廃棄物処理の種類によってどの程度の汚染物質が環境中に放出され、自然や人間がどれほど影響を受けるかということと、それらの汚染物質がどのような有害性を持つかということを定量的に評価することが必要です。また、汚染物質の放出を抑制する方法とそれに必要な経費、健康影響の減少効果、周辺地域の住民の意見を考慮した処理を考えることも大切です。
経済の発展に伴って、世界各地で大規模開発が活発になり、自然環境の破壊が進んでいます。産業廃棄物処理の適切な遂行は、環境管理の視点を持つことが重要なのです。