実家の片付け・遺品整理で重要な『カギ』とは

遺品整理をスムーズに行うために

親が亡くなり遺品整理をしようと思い実家に行くと、あまりの物の多さに愕然とするものです。親世代の多くの人は、もったいないからと何でもかんでも捨てないでとっておくという傾向があります。しかし、いざ親が亡くなって遺品整理をしようと思っても、何を捨てて何を残しておくべきなのか、本人がいない以上判断が難しくなります。遺品整理をスムーズに行うために、生前にできることは済ませておきましょう。

実家の片付けは親とのバトルなくして進まない

実家の片付けは年老いた親の価値観や人生観と戦うことを意味します。『親の物を捨てたい子世代』と『自分の物を捨てたくない親世代』の戦いなのです。それでは、なぜ親世代は物を捨てたくないのでしょうか。それは戦後の物不足の時代を生きてきたからに他なりません。物がなくて辛かった時代に戻りたくないと考えているのです。物が沢山あることに安心するのです。自分の大切な物を捨てろと言われるのは、親からすれば苦痛を感じることです。実家の片付けは、子どもや人に言われてできるものではありません。親自身が思い立って実行しなくてはいけないのです。親自身が生きているうちに必要・不必要をはっきり分けておくのと、親の死後に何を捨てていいのかわからない状態で遺品整理するのとでは時間も労力も大幅に変わってきます。

親に片付けさせるには

まずは何でもかんでも捨てろと言わないことです。捨てなくてはいけないと親自身が思っていたとしても、それを責められたくはないのです。これはいつか使うかもしれないから捨てない、これがあると便利等と物を貯め込むことを正当化します。まずはその気持ちを受け入れてあげましょう。全て捨てる必要はないよと伝えます。そして、相手が警戒心を緩めたところで『でも、こんなにいるかな?少しだけとっておいたら良いんじゃない』『こんなに積んであったら危ないね』とアドバイスします。直接片付けろと言わずに、本人に気づかせることがポイントです。そうして少しずつ片付けを進めいって、最終的には物がないスッキリした生活が気持ちの良いものだと自覚させるのです。

片付けのカギは『親離れ』

親が捨てないできた物は、親の価値観・人生そのものです。実家の片付けや遺品整理とは、親の人生の片付け・整理なのです。親の人生は親だけのものであり、子どもが親の人生を引き継ぐ必要はありません。親の人生や価値観から離れてこそ、実家の片付けや遺品整理ができるようになると言えるでしょう。