廃棄物処理とは
廃棄物とは
廃棄物という言葉をよく聞きますが、具体的には何なのでしょうか。
廃棄物にはちゃんとした定義があります。廃棄物とは、ごみ、粗大ごみ、汚泥、ふん尿、廃油などの不要物をいいます。
これらは日々の生活で大量に排出されていますが、環境を守るためにさまざまな廃棄物関連法を制定し、廃棄物の発生を抑制するようになりました。
廃棄物は、廃棄物処理法に基づいて処理されています。この法律は、廃棄物の排出を抑制し、廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生といった処理を行い、環境を清潔に保つことを目的として制定されました。
廃棄物処理について
廃棄物の処理責任は、原則として一般廃棄物は市町村、産業廃棄物は事業者となっていますが、どちらの場合も廃棄物の処理を他人に委託することができます。それらを請け負うのが産業廃棄物処理業者です。
残念なことに、処理業者の中には不法投棄といった違反行為を行う業者も存在しています。不法投棄の主な理由は処理費節減です。産業廃棄物の適正処理をしっかり行い、安心して任せられる業者を選ぶことが重要です。
全国の産業廃棄物の総排出量
全国の産業廃棄物の総排出量は、約3億9千万t(平成26年度)です。種類別では、汚泥、動物のふん尿、がれき類が80%を占めています。廃棄物処理とは生活の中で、なくてはならない大事な業務といえますが、課題も多いのです。商品を販売して利益を得るわけではなく、廃棄物には価値がないため、適正に処理されなかったり、一般廃棄物と産業廃棄物の判断が難しく、不適正な処理が行われてしまうのです。処理に携わるひとり一人が廃棄物処理に関する知識を高め、適正に処理できるようになることが大切です。
解体工事と廃棄物処理
空家や古家、ビル等の建築物を解体した場合にも廃棄物が出ます。この廃棄物の処理責任者は工事の元請業者になります。廃棄物の種類によって、解体工事の価格は変わります。廃棄物の量が多ければ、それだけ処分費用がかかりますし、解体しやすいかどうかで重機の使用量が変わるからです。例えば、木造家屋などは解体がしやすく、廃棄物も鉄骨家屋などに比べると少ないので、費用が安くなります。逆にビルの解体工事は高額になります。また、接している道の幅が広いか狭いかで重機の使用量も変わりますし、廃棄物の量も多くなりますから、処分費用が高くなります。
近年、空家が増えているといわれていますが、解体費用がかかるためそのままにしているという場合も多いようです。倒壊の危険がある空家などに対して、市町村が所有者に撤去を指導、命令できる「空き家対策特別措置法」が施行されましたが、大幅に改善されているとはいえない状況です。空家の解体費用を補助する自治体もありますので、お心当たりのある方は一度調べてみることをおすすめします。