産業廃棄物処理業者選定のポイント
産業廃棄物の処理業者を適切に選定するためには
残念ながら、法律違反を行う悪質な処理業者は存在します。もし委託先が不法に産業廃棄物を投棄した場合、排出事業者は廃棄物処理法違反に問われ、懲役や罰金などの罰則を受ける可能性があります。
安心できる廃棄物処理業者を選定するためには、自治体への照会、現地調査、周辺住民への確認などを行い、処理業者の情報を収集しましょう。実際に産業廃棄物処理業者を選ぶ時のポイントを説明します。
許可内容を確認しましょう
まずは、許可証の内容を確認します。廃棄物処理を行う事業者は当該地域の市町村長又は都道府県知事などから許可を得ることになっているため、許可を受けていれば許可証が発行されています。名称や住所をチェックし、確実にその処理業者の許可証であることを確認します。また、許可の有効期限もチェックします。次に委託する産業廃棄物の種類が許可証の中に含まれているか確認します。同じ廃プラスチック類であっても処理できない場合がありますので注意が必要です。また、処理能力を精査することも重要です。委託する数量を受け入れる余力があるかどうか確認しましょう。
行政処分歴の有無を確認しましょう
行政処分とは、営業停止、施設の使用停止など、行政から処理業者に対して与えられる処分のことです。行政処分が下されたということは、その処理業者に悪質な違反があったということになります。行政処分歴の有無を確認するには、都道府県か政令市に問い合わせましょう。
処理フローは明確になっているか
中間処理を委託する場合は、残さの処理フローを把握する必要があります。誰が、どこに、どうやって処分するかをきちんと確認しましょう。最終処分業者までの間に複数の処理業者が入ることになりますと、どこかのタイミングで不法投棄が行われる可能性はゼロではありません。
事業場の様子をチェックしましょう
廃棄物処理業者の施設などを訪問して施設の状況、廃棄物の処理やリサイクルの状況、書類の保管状況を確認します。作業場所や廃棄物の保管場所が整理されているかをチェックします。次に、委託契約書、マニフェストや帳簿などが保存されているか確認しましょう。
近隣住民から評判を聞いてみましょう
産業廃棄物処理業者は、廃棄物処理施設の設置の際、近隣住民とトラブルが発生することも珍しくありません。近隣住民と良好な関係を保てているかどうかは判断材料になります。実際に現地に行って操業状況や職員の様子などを確認し、近隣住民の評判を収集することは重要です。騒音や悪臭、車両の出入りが異常に多くないか等確認しましょう。